別箱公演で珍しくリピートした『群盗』。
(東京公演も、記念応募が当たった。)
結果的には、お気に入り作品となったので、未練はあっても悔いはないです。
(「天彩さんアマーリア」絶品!)
私は、演出家先生の作風を、各先生毎に語れる程、把握していないので、
自分の観た舞台の範囲内での感想なので、ご容赦ください。
『群盗』は、「芹香さん」と「あらすじ(作品)」で観たいと思った、
と以前書きましたが、加えて「小柳先生の演出」という点でも興味がありました。
改めて「小柳先生」の過去の作品を調べると、(Wikipedia参照)
『二人の貴公子』『かもめ』など、文芸作品をベースにした作品もありますが、
普段、大劇場公演しか殆ど観ていないので、
星組公演『めぐり会いは再び』が、初めて小柳先生の作品と意識して観た公演。
(この作品も、フランスの劇作家マリヴォーの名作喜劇のミュージカル化)
その後の作品が、
『Shall we ダンス』『ルパン三世』『天は赤い河のほとり』.etc
「オリジナル作品」よりは、親しみやすい「原作のミュージカル化作品」の方が多く、
面白くて、印象に残っているので、
いわゆる「エンタメ系」原作作品の脚本・演出の妙手
というイメージが個人的にあります。
「得意分野」というには、それ以外の作品を観ていないので、
とりあえず、そちら系の作品が巧い!印象。
今回の作品は、笑いや親しみを受ける系統の作品ではないので、
意外性で興味を持ち、観たくなりました。
観た時、原作本程、とっつきにくそうなイメージはなく、感想は以前書いた通りです。
親しみやすく、且つ、出演者が若手であることを、逆に「魅力」として活かし、
下級生まで、個性の違いがある「役」があり、舞台でその人物として生きてました。
滅多にみる機会のない、沢山の若手さんの芝居を堪能できた、
個人的には貴重な公演でした。
小柳先生に対して、「エンタメ系作品の妙手」≒「専門で得意分野」なイメージが、
勝手に出来上がっていたので、
「別の顔」、今まで観てきたのは「一部分の顔」だったと、思いました。
若手が多い出演者の配役が絶妙で、さすが劇団の演出家、
というか、さすが「小柳先生」の方が合っているかも?、
作品のチョイスといい、
見事な手腕を見せられた気がしました。
(上から目線で失礼します)
パンフに書かれている挨拶も、メッセージ性が強い作品であることを強調していて、
個人的にはこちらも意外でした。
一部引用すると(長い)、
この作品を上演する意義は2つ。1つは近年発表される作品が「泣ける」「元気が出る」など、機能重視になりすぎてしまっている事への問題提起。そして、もう1つが、
そのような機能的でない作品にそれでも食らいつき、理解し、表現するという表現体力とでもいったものを鍛える負荷としての意義です。
・・・ごめんなさい。
「カッコイイ」てんこ盛りで感想を書きましたが、フィナーレはともかく、
若者ゆえの情熱で突っ走る行動と、問いかけるメッセージを残すラストでした。
というわけで、
「小柳先生」に対して、新たな印象と改めて作品の魅力と手腕を感じた舞台『群盗』。
各演出家先生の作風をイメージできるほど、作品を観ていないし、
意識して観ていませんが、
たまたま、ここ最近「大劇場公演」「台湾公演」で、
観る機会が比較的多かった「小柳先生」ですが、作風が違い、
印象に残る作品となりました。(「らしさ」は、感じました。)
個人的な感想なのでご容赦ください。
さいたまんぬ